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パート・アルバイト等の社会保険加入を考える

2024.08.26

「年収の壁(106万円)」などで話題に上ることが多い社会保険(厚生年金保険・健康保険)。政府はいま、「多くの人に手厚い社会保障を」との方針のもと、適用拡大の制度改正を進めています。「キャリアアップ助成金」の活用も含め、従業員の社会保険について考えてみましょう。

パート・アルバイト等も要件を満たせば適用対象

会社には、原則として、社会保険(厚生年金保険・健康保険)に加入する義務があります。正社員だけでなく、パート・アルバイト等も社会保険の適用対象となります。金(おおやパート・アルバイト等の社会保険の適用範囲は、週の所定労働時間と会社の従業員数に照金よって変わります。従業員数をカウントする際は、複数の拠点を持つ会社(例:本社のほか、店舗や工場がある場合)では、全拠点の従業員数を合算する必要があるため、注意でしましょう。パート・アルバイト等の社会保金険の適用基準は、以下のとおりです。

●週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
●所定内賃金が月額8.8万円以上
●2か月を超える雇用の見込みがある
●学生ではない(休学中、定時制・通信制の方を除く)

この適用基準に加えて、令和6年10月から、「従業員数51人以上」の会社が義務的適用となります。ただし、従業員数50人以下の企業等でも任意適用が可能です。社会保険の被保険者になった従業員は、老齢年金や障害年金の給付額の増加、遺族年金や傷病手当金、出産手当金の給付等、さまざまな恩恵を受けられます。
会社としても、特に人材確保の面でメリットがあります。求人票に社会保険加入の旨を人掲示できるため、応募率上昇につながるほか、充実した社会保障を受けられる安心感から、従業員の定着率のアップにもつながります。
また、被保険者となる従業員は、おのずと「年収の壁(106万円)」を超えることになるため、収入を意識して勤務時間を調整せずに済み、シフト調整がしやすくなります。

社会保険加入を後押しする「キャリアアップ助成金」

従前より厚生労働省では、非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善を実施した事業者に対して「キャリアアップ助成金」を支給しています。令和5年10月からは、同助成金に「社会保険適用時処遇改善コース」が追加されました。これは令和8年3月31日までの措置となりますので、積極的に活用しましょう。活用にあたっては、各メニューの取り組みを開始する日の前日までに管轄労働局へ「キャリアアップ計画書」の提出が必要です。

加入時の事務作業負担は電子化で軽減しましょう

社会保険加入時は、必要な届出書類の作成やその確認、窓口での申請等、煩雑な手続きが必要となります。その点、TKCの「PXシホリーズ」を利用すれば、社会保険加入時の届、出書類の作成、電子申請ができるほか、給与と会社負担の社会保険料額の計算等が可能になります。事務作業の省力化に役立ちますので、導入を検討しましょう。

◎PX2で電子申請できる手続き(厚生年金保険・健康保険)算定基礎届、月額変更届、賞与支払届、資格取得届、資格喪失届

社会保険料の滞納に注意!
社会保険の加入義務対象である会社が保険料を滞納した場合、最大2年間さかのぼって督促されます。未納が続くと延滞金を請求されるほか、罰金や懲役を課されることも。年金事務所から督促状が来た場合は放置せず対応しましょう。
※納付が難しい場合は年金事務所に相談しましょう。納付の猶予等ができる場合があります。

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