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あらためてチェックしてみよう!健全経営を支える経理の「きほん」

2025.02.10

日々発生する経理業務。ついつい、忙しさにかまけて「これくらい大丈夫かな」「まあ、いいか」という思いが頭をよぎったことはありませんか?
そうした小さな油断は、会社の大きな損失につながることもあります。あらためて経理の「きほん」を見直してみましょう。

「まあ、いいか」は御法度!
自社の経理体制をあらためてチェック

中小企業の経理担当者は、総務・人事・労務など複数の業務を兼務するケースが多いことでしょう。さまざまな業務をこなし、毎日の限られた時間の中では、記載事項等に不備のある証憑書類(領収書・請求書等)が回ってきても、「担当者に確認している時間もないし…まあ、いいか」と目をつぶってしまいかねません。
けれども、実はそうした「まあ、いいか」は御法度です。日々の経理処理は、「いま会社にいくらお金があるのか」「今月はどの商品がどのくらい売れたのか」といった事業の実態をタイムリーに、かつ正確に把握するベースとなるもの。不確かな経理処理の積み重ねによってできあがる試算表や決算書は、当然、あいまいで不正確なものになり、その結果、社長は最適な経営判断を下すことが難しくなってしまいます。
また、「経理処理の不確かさ=お金の管理の甘さ」は、会社全体のモラルを低下させ、「公私混同」や不正を招く要因にもなります。
経理処理こそ「基本に忠実」が重要です。図表を基に、あらためて自社の体制を見直してみましょう。

【図表】できていますか?経理の「きほん」のおさらい

口仕入計上・売上計上のタイミングを理解し、継続的に適用している。
ロインボイスの記載要件を満たした円類を基に仕入税額控除を行っている。
口すべての証憑書類は発生順に整理し、月ごとの一連番号(伝票と共通のもの)を記入している。あるいはスキャナ保存する場合は、すみやかに処理している。
口現金商売を行っている場合、レジ締め後に金種表や現金出納帳等にきちんと記録するとともに残高合わせを行っている。
口切手や回数券、商品券など換金性の高い社内物品については、その購入と使用履歴をきちんと管理している。
ロクレジットカードを使用する場合、公私混同していない(法人専用カードの利用など)。
口交通費旅費、慶弔などの支払いや手続きは定められた規程に基づいて適切に行っている。
口交際四を支出する場合は、社内で定められたルール(金額・相手等)に垂づいている。
口交際費や会議費等の領収書には摘要(日付・金額•取引先名・人数・使途)をもれなく記載するルールとし、社内で徹底できている。
口従業員等による立替払い等の精算は、期限を1~2週間程度とするなどの社内ルールのもとで、すみやかに行われている。
口月次決鍔を翌月中に完了し、会計事務所による月次の巡回監査を受けている。

正しい経理処理のためには従業員の協力が必要不可欠

経理処理を適時に正確に行うためには、経営者を含め全社員の協力が必要不可欠です。
次のことを周知し、徹底してもらうよう促しましょう。

► 経費精算・旅費精算はすみやかに!
時間が経つと、領収書は紛失しやすく、記憶もあいまいになります。経費や旅費については、長くても2週間以内の精算を求めましょう。

► 「摘要」はもれなく正確に記載!
交際費や会議費等の領収書には、取引先名、人数、何のための支出かなど、摘要をもれなく正確に記載してもらいましょう。

► 「インボイス」の記載事項を確認!
インボイス等に該当する領収書・請求書等の場合、仕入税額控除を適用するための記載事項が網羅されているか、経理に回す前にあらかじめ担当者に確認してもらいましょう。
不備がある場合には、取引先等に再発行等の依頼をするよう、担当者に伝えましょう。

► 「費用収益対応の原則」を意識!
費用と収益は、発生主義に基づいて計上すること(費用収益対応の原則)の重要性について周知しましょう。
まずは、①毎月の費用の締日②毎月の収益を認識するタイミング(出荷基準・納品基準・検収基準等)—について、社内のすべての担当者がしっかり理解していることが重要です。
場合によっては、請求書の発行を早めてもらうなど、必要に応じて取引先の協力をいただけるよう、担当者に依頼しましょう。
仕入と売上の計上タイミングが月をまたぐと、月次の利益がブレてしまいます。

人為的ミスを防ぐ「仕組み」でもっと正確に、もっと早い経理処理に!

経理体制の見直しと並行して、人為的ミスを減らす、あるいは防止するような仕組みを整えることも正確な経理処理には大切です。
例えば、次のような方法が挙げられます。

◎ダブルチェック体制の導入
ダブルチェックには、作業等を実施した本人が行う場合(セルフダブルチェック)と、別の人が行う場合の2種類があります。人員に余裕がない場合でも、最低限、セルフダブルチェックを行うようにしましょう。
セルフダブルチェックの場合、例えば、1回目はPC画面で、2回目は出力した紙で行うなど、変化をつけると効果的です。

◎業務を自動化・機械化する
手作業で行っている業務を、自動化・機械化してみましょう。例えば、インターネットバンキングと連動した会計システムを導入すれば、仕訳入力が省力化され、入カミスも防げます。また、経費精算の際、領収書の内容を会計システムに手入力するのではなく、領
収書をスキャンして文字を自動で読み込ませることで、正確・迅速に入力できます。

健全経営を支えるのは、正確な経理処理に基づく月次決算体制の構築です。経理の「きほん」をあらためて見直してみましょう。

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